題名 内容 更新日
イニシエ ―――彼らは、いつからかそこにいた。

誰もが、いつからだったか、覚えてもいない。
ましてや、出会った時の事さえも、覚えていなかった。

<old worldより:>
05.11.09
浮かぶ夜空 「……ライアン?」

 もう寝ちゃった?
 少年が声をかけても、猫は、ぴくりともしなかった。
 その背を撫でても、いつもの怒声は聞こえてこない。

<漫文社より:>
06.05.05
FLOWER  ひらひらと、花びらが目元を掠めて。

「お?」
「あ」
 二人、同じように反応をすると、猫と少年は揃って空を見上げた。
 真っ青な空が何処までも続いていて……雲一つ無い快晴だ。
 けれどもそこに、一つ。二つ、三つ……。
 ひらひらと、雪のように舞うモノ。

<チャプンより:>
06.05.05
闇色の魔女  一人の女性は、ぐっと、大地を踏みしめた。
 久し振りに感じる、人間の姿での、地面の感触。
 それは、猫の姿の時とは、やはり違うように感じた。

<村の魔女より:>
06.12.04
竜の魔女 「いらっしゃい、マリア」

 いつも通りにこりと微笑んだ魔女は、今日もまた、ジョウロを持っていた。
「こんにちは、リュッカ」
「今日は、草花が元気。……いつもより、空気がおいしいね」
 女性のような出で立ちの、その魔女。……性別も、年齢も不明。
 その声は、どこか艶やかな響きを持っている。

<村の魔女より:>
06.12.04
金と銀の魔法使い  天井の高い、城のホール。
 ふっと笑う銀色の少年に、金色青年の体は強張った。
 少年の名はアリア。青年の名はティンブラ。


 それは、背中合わせに立つ二人。

<村の魔女より:>
06.12.04
永世の魔法使い  ずっとずっと前の記憶が、蘇る。
 それは果てしなく昔。
 けれども、今自分の住んでいる村は、そこにあって。

<村の魔女より:>
06.12.04